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漫画表現の現実化プロジェクト

漫府・効果線・動き線・効果音・心理表現・・・

これら独自の進化がすすんできた漫画表現。

漫画表現は漫画の紙面上のみのものだったのが、現実の世界へ溢出を始めています。

​まず、漫画表現とは

 漫画は基本的には白黒の線画の静止画像なので、それだけでは本来は表現力が弱いものである。そこで各種の「漫画表現」が導入され、それによって豊かな表現力を得ている。

 静止画像には「音声」は乗せられないのを、ふきだしを導入することで言葉を使えるようになっている。ふきだしの外に置いた文字は「効果音」を表すことになっている。このようなルールを決めて、漫画は「音声」を表現できるようになった。

 同様に、静止画像に「動き」を乗せるために効果線を導入している。効果線はまた、光・音などの表現にも使われる。

 さらに、「心情・心象」を表現するために漫府が導入されている。疑問・怒り・驚き・怖さ・焦り・気づき・眠気・・などを表現するための、それぞれ専用の記号を人物の顔の近くに置くことでそれらの心情を表現するという、いわば「ルール」である。

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©西園寺スペルマ

漫画表現の現実化とは(1. 漫府の現実化)

 ここではまず、漫画表現のうちの漫府​をとりあげて考える。

 人の心情・心象の表現は、現実世界では「顔の表情・身体の姿勢など」で行われる。これらの表現は、本来は静止画・漫画でも出来るはずのものであるが、漫府を利用することでよりはっきりとしかも簡易に表現できる。この点で、「漫府による心情表現は現実世界よりも優れている」と言うことができる。

 

 より良い手段があればそれを利用できるようにしたい。
今までの現実世界では、人々の心情変化を顔表情などから察知するしかなかった。現実世界では、漫府が現れることはなかった。漫画に慣れ親しんだ人々からすれば「なぜ現実世界では漫府が出ないのか!?」というところである。


 しかし今、人類が持っているテクノロジーは、現実世界で漫府を出現させるいろいろな手段をすでに持っている。出来るのにこれをインプリメントしないのは、エンジニアの怠慢である。

 スゴイラボの Product 008スゴでこProduct 016スゴ漫府は、この漫府の現実化の第一歩である。

漫画表現の現実化とは(2. 轟音と閃光)

 次に、漫画表現のうちの轟音と閃光について考える。

 漫画で、例えばくりだしたパンチが当たった時、その効果・衝撃・強さを表現するために、衝撃音などの効果音の表現や、効果線などによる閃光の表現が加えられる。もちろん現実世界では、打撃音はわずかなものだし、閃光が見えることもない。しかしこの手法によって、「漫画は現実世界よりもはるかに豊かな表現力をもっている」と言うことができる。

 より良い手段があればそれを利用できるようにしたい。
今までの現実世界では、パンチに轟音と閃光が現れることはなかった。漫画に慣れ親しんだ人々からすれば「なぜ現実世界では轟音と閃光が出ないのか!?」というところである。


 しかし今、人類が持っているテクノロジーは、現実世界で轟音と閃光を出現させるいろいろな手段をすでに持っている。出来るのにこれをインプリメントしないのは、エンジニアの怠慢である。

 スゴイラボの Product 004スゴぱんちProduct 005スゴ包丁は、この轟音と閃光の表現の現実化の第一歩である。

その他のメディア表現の現実化

 ここからはいったん漫画表現から離れて、漫画以外のメディアが持つそれぞれの表現方法の現実化について考察する。それぞれのメディアの中で発展した表現方法を、現実世界へ進出させるということは、すでに現実化ができているものも多いことを指摘できる。

 まず、映画・舞台での音楽の使われ方であるが、一般にその場面での心情・心象を表現するために用いられることが多い。喜びの場面では明るい音楽を、ショッキングな場面では衝撃的な音楽を、といった具合である。

 さて現実世界で、この表現法を応用していることはないだろうか。たとえば何か新規なものを披露する時に、「ジャジャーン!」と口で効果音楽を発することがある。これは明らかに、効果音楽の現実化と言うことができる。

 同様に、擬音やオノマトペは本来は、自分以外の物や人についてのようすを表現するために文章や語りの中で用いるものであるが、現実世界で、自分の行動や心情を表現するために用いることが起こっている。たとえば驚いたときに「がーん!」とか「ぎょぎょ!」とか口で自分の心情を表現するオノマトペを発することがある。この擬音・オノマトペの現実化は、心情・心象の効果音を書き込むという漫画表現に慣れ親しんだ習慣から出てきたものと考えることもできよう。

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